広島県では、お盆の時期になると白や色鮮やかな灯篭がお墓の周りを飾ります。
その光景を幼い頃から見慣れていたため全国的に行われているものだと思っていましたが、どうやらとても珍しいもののようです。
白い灯篭は初盆(新盆)、カラフルな灯篭は初盆以降に用いられ、毎年お盆前のスーパーやコンビニの店先にずらりと並んで販売されている光景も県外の方が見ると驚くかもしれません。
2008年公開の映画『この世界の片隅に』のワンシーンでも描かれているので、鑑賞する機会があれば探してみてください。
盆灯篭は江戸時代、広島城下紙屋町に住んでいた紙屋の夫婦が亡くなった娘を偲んで石の灯篭の代わりに手作りして供えたのが始まりといわれています。
近年では廃棄物処理の問題や火災の心配などから廃止する傾向もみられるという話も聞きますが、250年も続く歴史を持つ慣習なので大切にしていきたい気持ちもあり、複雑な思いです。