「茶の子」

経験する機会が少ない仏事に関して、わからないことをネットで検索される方は多いと思いますが、仏事に関しては地域のしきたりや親族間の決まり事などが多く、ネットの答えを鵜呑みにしないことをお勧めします。

広島では、「香典返し」を「茶の子」と呼ぶのが一般的です。九州や中国、四国地方で使われるようですが、「茶の子」と言うと「広島の方ですか?」と聞かれることもあるくらい、広島では浸透しているようです。

ここで、仏事での色々な御礼の品についてご説明いたします。

「通夜菓子」

通夜に弔問いただいた事への御礼の品。
関東などでは、通夜式後、一般の弔問客へも通夜料理を振る舞い、箸をつけることが礼儀ともされていますが、広島では通夜式後は親族だけが残ります。一般の弔問者は帰られますので、その際に「通夜菓子」をお渡しします。

「会葬御礼」

参列いただいた事への御礼の品。
会葬礼状を添えてお渡しします。
受付で御香典を預かった際に渡します。

「当日返し」

参列された方から戴いた御香典に対し、その場で返す「香典返し」の品。
葬儀後の手間が軽減されるメリットがあります。
一律で同じ品をお返しすることもありますが、金額に応じて品を変えて準備することもできます。
しかし、高額を包んでいただいた方に対しては改めてお返しをするほうが良いでしょう。

「茶の子」

四十九日の忌明けを目処にお届けする「香典返し」の返礼品が「茶の子」です。のしの表書きは「茶の子」。他の地域では「満中陰」と表書きされています。
無事に忌明けを迎えたことや、感謝の気持ちの品をお届けする旨の挨拶状を添えます。

「引き物」

法要に参列いただいた方への手土産です。
慶事のイメージが強い「引き出物」との区別のため「引き物」と呼ばれます。
(「引き出物」でも まちがいではありません)

仏事のお返しの品物は、弔事が続かないよう「消え物」(すぐになくなるもの)の食品(肉・魚・酒類は除く)や洗剤などの消耗品が多いようですが、選べるカタログや商品券なども増えています。ギフトの感覚に変わりつつあるようです。

葬儀の形態が多様化してきたように、仏事も多様化の時代です。古いしきたりに捕らわれる必要はありませんが、不義理のないよう、お客様にはご案内しております。