ピクサー映画「リメンバーミー」をご覧になったことはありますか。
一年に一度、亡くなった先祖が家族に会いに来る祝祭の日に起こった騒動を描いた、感動の物語です。舞台はメキシコ、「死者の日」と呼ばれるその日には、家やお墓を綺麗に掃除し、明るく飾ります。祭壇には亡くなった家族の写真や、好きだった食べ物を供え、先祖が道に迷わないよう、ロウソクを灯したりマリーゴールドの花びらを撒いたりし、家に戻ってきた先祖と一緒にお祝いが始まります。
日本の「お盆」と同じような風習が外国にもあるのだと、初めて知りました。映画では、田舎の町の「死者の日」が描かれていましたが、メキシコ国内でも日本と同じように、各地域で風習に少しずつ違いはあるようです。
日本のお盆にも様々な準備や催し物があります。
仏壇やお墓の掃除をして綺麗に飾ることや、先祖が迷わないようにと焚く迎え火、盆灯篭や盆提灯は、「死者の日」と共通します。その他には、ナスやキュウリで模した精霊馬に、盆踊りや花火大会など、お盆の風物詩には一つ一つに、先祖を敬う大切な意味があります。しかし、最近の住宅事情においては、家の前の迎え火も危ないでしょうし、精霊流しの灯篭も川に流せない地域もあります。昔のように沢山の提灯を仏壇前に並べることも難しいでしょう。時代と共に変化して行くことはやむを得ないことですが、ご先祖様があるからこそ、先達の方々がそれぞれの時代で、それぞれの生活を懸命に送ってきたからこそ、今の自分がいることをあらためて感じるお盆であることは、変わらずにあって欲しいものです。