六方礼拝経
「悪友を避けて善友を求めよ
しかし善友が得られなければ孤独に歩め」
お釈迦さまはそう説いておられるそうです。
最近読んだ本の中で見かけました。

『六方礼拝経』という経典の中で説かれている
【悪友】=「避けるべき4種類の人」
【善友】=「付き合うべき4種類の人」
が紹介されていました。

避けるべき4種類の人

「何でも取っていく人」
自分の利益だけを追求し、与える時は少なく、もらう時はより多く受け取ろうとする。ただと思ったら平気でごっそりと持ち帰る。料理を取り分ける時など自分の分だけ好きに盛る。

「言葉だけの人」
口先だけで行動が伴わない「あの時はああしてあげた」と過去のことを恩に着せて友情を装う。「今度こうしてあげるから」と未来のことに関して友情を装う。しかし事が迫ると「都合が悪い」と逃げる。

「甘言を語る人」
目の前ではお世辞を言い、裏では陰口をたたく。うわべだけのうまい言葉を語って、中身が伴わない。

「遊蕩の人」
飲酒、麻薬、ギャンブルに溺れる。

付き合うべき4種類の人

「助けてくれる人」
元気がないときに守ってくれる。正常な判断ができなくなったときに正しい行動に向かわせてくれる。

「苦しいときも楽しいときも一様である人」
窮地に陥っているときに見捨てない。辛いときに一緒にいてくれる。

「自分のためを思って話してくれる人」
悪い道に入らないように忠告してくれる。大切な情報を教えてくれる。

「同情してくれる人」
上り調子のときには一緒に喜んでくれる。落ち目になったときに心配してくれる。人から悪口を言われたときに弁護してくれる。

付き合うべき人の「言葉ではなく、行為を見る」こと。「言葉ではなく、成したことを見る」ことが大切なのだと善友がそばにいないのなら孤独に歩め、とお釈迦様は説かれたようです。
しかし孤独に歩むことはつらく寂しいことです。中島みゆきの「友情」の歌詞にはあります。

自由に歩いて行くのなら一人がいい
そのくせ今夜も人の戸口で眠る
背中に隠したナイフの意味を
問わないことが友情だろうか

孤独に一人で生きて行くのはつらいものです。善友が見つけられるよう、見つけてもらえるよう自分自身が善友となれるよう日々を歩めという教えなのではないかと考えます。