「白い喪服」
2022.07
御葬儀に初めて参列される若い方は、服装やマナーに悩まれることもおありでしょう。そんな時は親や目上の方に相談したり、ネットで検索したりして調べることも出来ます。
葬儀は、多様化が進む現在も、地域の風習が色濃く残る儀式の一つです。
ネットで検索した場合、一般的な知識も学べますが、時に地域によっては違うことも当たり前のように書かれている文章もありますので、お気を付けください。
ここはやはり、親や親戚、年配の方に確認する事をお勧めします。
一番は、故人を偲び、御遺族の気持ちを思い遣ることかと思います。その気遣いが出来れば、タブーとされる、ミニスカートや派手なアクセサリーを付けるなど、自身のスタイル優先の服装になる事はないでしょうし、大声で知人と会話したり笑ったりといった、失礼な振る舞いも避けられるはずです。
「喪服」といえば「黒」が現在の一般的なところですが(宗教によっては違いもあります)、ひと昔前まで「白」が一般的だった事をご存じでしょうか。ドラマなどで「白」の喪服に驚いたことはありませんか。奈良時代に初めて【喪服】が登場しますが、当時の喪服は「白」でした。その後、貴族や上流階級は「黒」「白」「薄墨」など、その時代ごとに流行りが変わりますが、庶民は「白」のままだったようです。
明治時代、暗殺された大久保利通や皇室の葬儀に参列する、諸外国の賓客の喪服が「黒」のため、上流階級の間では「黒」が定着しましたが、庶民の喪服は「白」のままでした。
庶民の喪服が「黒」になったのは第二次世界大戦後の事なのです。戦時中、当時は遺族の着る喪服は貸衣裳でしたが、使用頻度はもちろん多く、「白」から、汚れが目立ちにくく扱いやすい「黒」へと変わっていき、定着していきました。
「黒」の喪服の歴史はまだまだ浅いのです。
葬儀の様式は、地域、そして時代背景とともに歩み、現在に至っています。
お時間があれば、昔の葬儀の画像などを検索してみると、今と違う様子に歴史の流れを感じることが出来るかもしれません。